Day3 Kinky Boots

9/10/2015


ロンドン旅行に来た大きな目的は、ミュージカルを観ること。ついに、海外観劇デビューを果たしました。観た作品は「キンキーブーツ」


2013年のブロードウェイ・トニー賞6部門受賞作、曲はシンディ・ローパー。イギリスの田舎町にある倒産寸前の老舗の靴工場が、ドラッグクイーン用のセクシーブーツを作ることで再起を図るというハートウォーミング・コメディ。

とにかく女装した男優が綺麗!足が細い、長い!!美しい!!きらびやかな男優が沢山出てきて歌い踊る。靴の町工場のアンサンブルがとてもパワフル。

本当はライオンキングとか、オペラ座の怪人とか、日本で何度も観て、歌詞もわかる作品でデビューするはずでしたが、偶然にも、内容も言葉も、何も知らない作品で海外観劇デビューをすることに。

ブロードウェイで幕を開けたこのミュージカル、ロンドンでの公演は2015.8.21にプレビュー公演が始まったばかり。本公演は9.15からなので、私が観たのは始まって9日目のロンドン到着熱々のステージ。ブロードウェイミュージカルだけど、物語の舞台はロンドンで、ロンドンのウエストエンドで開幕したばかり、しかも内容はドラッグクイーンが、きらびやか!という濃い作品が海外での初めてのミュージカルとなった私、さすが、わたし。

とにかく地元の人が多くて観光客らしき人は見当たらない。アジアの人は私たちくらいで、開場してから皆んな周りの人と愉快に喋っている。

こんなにワサワサしているのか!!

お酒を飲んで、ハーゲンダッツを食べ、知り合いとの再会を喜び、肩を叩き合う場内。私たちの席が後ろから3列目くらいのセンターだったので、劇場の様子がとても良く観えました。

椅子はコンパクト、椅子の2倍は横幅がありそうなオジさんも、キュッと体を詰め込んで観るミュージカル。そう、日本と違って年配の男性も、若い男の人も入り混じっている客席。

ロンドン先輩いわく、観光客が多い他の作品の客席と、新作の客席は違うのだとか。確かに、地元の人がたくさん!感じた事のない、見た事のない客席の盛り上がりで、何しろとてもワクワクした空気が流れている。会場の雰囲気と熱気を忘れる事が出来ません。

幕が開いてもその熱気は凄かった!リアクションの大きさ、笑い声、ステージと客席が対話しながら物語が進んで行く。隣のお姉さんなんて、物凄くノリノリで、終始大きな声で笑って叫んでいたけど、不快じゃなかった。斬新なミュージカルデビュー!

日本への来日公演で英語のミュージカルを観た事はあったけど、ここ、ウエストエンドに来てミュージカルを楽しめるか、不安がありました。

言葉が分からないとやっぱり面白くないし、本場を観て面白く無かったら、ミュージカルファンやっていくのもなぁ。。と、思っていたけど、なんのその!!見事に心配は晴れ、視野拡張。

ミュージカルの曲が次どんなタイミングで来るか、呼吸で分かる。役者の表現も大きく、コミカル、シリアス、空気がサッと変わる場内。共感する客席。とにかく皆んなでつくる空間がとても心地よかった〜。

主人公以外のアンサンブルのパワーも物凄く、コーラスの層も厚く、オーケストラも外さず、音楽と言葉が合っているから、メロディーだけでも音として心に響く。初めてミュージカルを観た時、純粋に楽しかったけれど、今回のミュージカルデビューもまさに純粋に楽しかった。感動がつきません。

客席も、飲み物を片手に、ざわざわしていて気軽に観れたし、それでいて劇場のお兄さんは盗撮などに目を光らせていて機敏で無言の指差し注意が素晴らしかったり。劇場文化が根づいている事がみえたし、日本と違うことがひとつずつ新鮮だった。

作品の中では、トニー賞のYouTubeでも見る事が出来る一幕ラスト、工場でベルトコンベヤーを使って、その上を滑ったり、歩くパフォーマンスが楽しかった。靴工場を立て直すチャーリー役のKilian Donnellyと、ドラッグクイーンのローラ役のMatt Henry.2人の息がぴったりで、ベルトコンベヤーの上を歩く仕草が全く同じで、とても感動。黒人の大きな男性がピンヒールのブーツを履いて歌い踊る、自分の過去と戦いながら、未来へ生きる。これぞミュージカルというストーリー。ラブロマンスは少ないけど、ミュージカルって楽しいなと、抜けられない深い沼が拡大しました。

キリアン!かっこよかった!ブロードウェイの動画を見ても違う違う。キリアン・ドネリー、メモメモ。



感想を追記:キリアン、靴屋さんを経営するお父さんが突然亡くなって、跡を継ぐ息子として適役のオーラを持っていました。ちょっと情けなくてふわっとしていて、恋も、仕事もうまくいかない主人公にぴったり。映画を見ていないので、このミュージカルを観ただけの感想なので原作も知りたいな。1幕ラストの、everybody say yeah,yeah~のシーンは頭の中に今でも流れてくるし。2幕のファッションショーも楽しかったし、ローラたちの美脚とヒップの美しさも忘れられない。キリアンが履くブーツ姿も面白かったし、それで踊っちゃうんだっけ?そのシーンも、素晴らしかった(歌って踊れて、きめ顔も出来て、締まるし緩めるし、凄いな。という素晴らしさ)。ローラもチャーリーも、ソロパートは、歌詞の理解が出来ない私にも感情が伝わってきたし。ローラが、まじめにチャーリー達がこの工場をアパートにして・・と話しているシーンに空気を読まず割り込んでくるシーンも、絶妙な間で笑いを誘っていた。会場がゲラゲラ笑うんだ~。ローラが歌ったソロナンバーなんて拍手が止まらなかったし。とにかく客席とのレスポンスに感動した観劇となりました。






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