Play a Life@桜台 JOY JOY STATION

12/13/2015




小屋で観るミュージカルが面白い、そんな時代がやってきた。30代の若手クリエイターが、小さなハコでミュージカルをつくって発信している。ミュージカルファンは、1000人規模の大きな劇場に慣れているから、小さな小屋に足を運ぶ人はまだ少ない。大劇場ファンとは、そもそもの嗜好が違うのかもしれない。でも、狭くて小さな劇場から、なにか熱いものが生まれようとしている。それはミュージカル好きとしては見逃せない熱。


TipTapのオリジナルミュージカル「Plya a Life」

一台のグランドピアノと3人の役者、80分、バックステージもなく観客の視線の先に4人は立っている。

生きるってなんだろう、存在して共に過ごすことってどういうことだろう。

大掛かりな舞台装置はなく、学校の机とそれ組み合わせたてつくった棚、映画のパンフレット、奥にはピアノ、天井には色とりどりのランプ。シンプルなステージだけど、時間の差、心の内面、照明と音楽をつかって、たくみに時間差と心の声を表現したミュージカルを観た。

歴史の教師という登場人物をとおして、哲学のあらゆるキーワードを社会科の教科書を読み進めるように観客に伝える。人間が生まれ、考え、「今を生きること」のヒントを歌い飛ばす。見ている方は、そのカケラをキャッチして、ミュージカルの世界感とメッセージを受け取る。

双方向にやりとりが生まれる、対話できる舞台だった。

私は歴史の史実や、言葉遊びをメロディーに乗せるコミカルなミュージカルナンバーが好きだから、そんなシーンがあって嬉しかった。新しくはないのかもしれない、手法として、触れたことのあるものだったかもしれないが、ラストは客席からすすり泣く声があちこちから聞こえた。幕が開いた初日にして、感動する作品だった。

日本で演歌調では無いオリジナルミュージカルがつくられ、観る人の心をつかむクオリティで上演される時代が来たのかと嬉しくなった。(いぶし銀の心揺さぶる演歌ミュージカルも大好きだけど♪)とにかくメロディーが綺麗だった、歌も自然体で会話するようなミュージカル。


幕が開いた(幕は無いが)瞬間から、面白さを感じたこの新作、期待を裏切らないステージだった。ありがとうございました。


三部作の3作目だという本作、
最初から観ていたかった、が、出会えた今こそベストタイミングなのか。
今だからこそ、面白さを見いだせる自分がいる。

にしても、このチーム大注目、熱を感じる!そして感想文をこうして書くのって難しい!

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HPより

オリジナルミュージカル製作
2015年12月11日~14日
TipTap新作オリジナルミュージカル
「Play a Life」
作・演出 上田一豪  作曲・演奏 小澤時史
プロデューサー・プロダクションデザイン 柴田麻衣子


出演

〈黒猫チーム〉
小林遼介、池谷祐子、平川めぐみ

〈白猫チーム〉
丹宗立峰、木村花代、田中里佳





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